ダーツにおける「失速」

「失速」という言葉を目にしたことがあるだろうか。

元は航空工学とかその辺の言葉。

飛行機の翼には揚力(ものを浮かせる力)があり、ある条件を満たすと揚力が減少し飛べなくなるというもの。

 

厳密に言えば、ダーツは揚力を使って飛んでいるわけではないので失速ではない気がするが、今回はわかりやすく失速という言葉を使う。

 

一番最初に「ダーツが失速する=矢速が足りない」という結論を置いておく。

 

ソフトダーツにおける失速は、盤面に到達するタイミングで矢先が下を向くことを言っていることが多い。

以前にフライトの大きさ等で飛びが変わる話をしたと思うが、

失速=裏抜き

と私は考えている。

矢角やフライトの関係はあるものの「前へ進む力がダーツの回転モーメントに打ち消され、重力に引っ張られる」というのが真理だろう。

 

芯抜きできているのであれば、矢速が低くても失速はしない。

しかしながら、完全な芯抜きは相当練習しないと安定しない。

ティールダーツであれば失速によって上から刺さることはメリットになるが、ソフトダーツは盤面の穴が地面に対して平行に掘られているため、矢角が極端に下を向きすぎると弾かれる。

故に、ある程度の矢速が無いとソフトダーツでは上手く刺さらない。

彼の「ダーツの神様」フィル・テイラーは、矢速が16㎞後半から17kmとのこと。

フィル・テイラー場合は矢角がほぼ変わらない、水平に飛んでいるので別次元ですね。

 

物体は放物線を描いて飛ぶ。ダーツにおいても例外ではない。二次曲線の終端はほぼ落下と変わらない。つまり、ある程度初速が無いと飛距離が足りずに放物線の終端が盤面になってしまう。

 

今までのことから、スティールダーツはうまく失速させて盤面に刺せばいいが、ソフトダーツの場合は失速ははじかれる原因となる。

よって、17㎞後半~19㎞あたりまでは矢速が欲しい。